初めまして。ずっと猫嫌いでしたが、仕事で実家を離れている間に両親が野良猫を拾い、買い始めたのがきっかけで猫好きになりました。実家は田舎で庭付きの家が多く、猫は外へ自由に出入可能な状態で飼っているうちも結構あります。実家にいる間は犬を飼っていたこともあり、よく猫に向かって吠えていたので、自分自身も庭に不法侵入してくる動物といった感じで好きになれませんでした。10年ほど前、帰省すると家の裏口に猫が待っていることがあり、母がこっそりご飯をあげているということでした。野良猫なのでのみとかいるかもしれませんし、私はあまり触りませんでしたが、人見知りしない猫のようで両親によく懐いていました。その猫が身ごもり、家の裏で子猫を育て始めたのがきっかけで、ただご飯をあげるだけでなく飼おうということになって病院で予防接種したり、去勢や避妊手術などをしてその後長らく両親に愛されて暮らしています。いざ買い始めてみると、やはり可愛いもので、特に子猫の可愛さは魔力でもあるかのようでした。家族はすっかり猫にとりつかれてしまって(良い意味で)、私は変えるたびに猫と遊ぶことを楽しみにするようになりました。両親にとっても猫のいる生活はいろいろな世話の手間が増えるものの、日常を楽しくしてくれるかけがえのない存在だったようです。生まれた子猫のうち、子供の頃大怪我したことで一度家の中で飼っていた猫は特にお気に入りのようでした。運動神経がよかったのか、その猫だけが裏口の網戸をうまくよじ登って家の中へ出入できます。また、警戒心が強く怖がりなため、両親にしか懐かないということも両親の心をとらえたのでしょう。正直猫のいる生活がここまで二人の生活を明るく変えてしまうとは思いませんでした。父はDIYで猫用のタワーを作って見たり、趣味を広げることにもなったようです。そんな幸せな時間が10年ほど続きましたが、散歩に出かけたお気に入りの猫が帰ってこない日がありました。毎日出かけて必ずご飯を食べに帰ってきて、母に毛づくろいのブラシ掛けをしてもらって寝るのが日課になっていたので、不安に思った両親が探したところ、近所の人の情報で近くの道路で車に跳ねられて死んでいたのを見つけたそうです。両親のショックは大きくしばらく眠ることもできなかったとか。私自身も非常に落ち込みました。そんな落ち込みの状況を救ってくれたのはやはり猫でした。死んだ猫の兄弟の接し方が変わり、より人に懐くようになりました。猫的には一番優遇されていた猫のポストが空いたのでそこに入ってきただけなのかもしれませんが、そうした変化が人を癒します。死んでしまった猫は帰りませんが、また新しい猫との思い出とともに立ち直ることができたと思います。猫の寿命を考えれば、いつかは人間より先に死んでしまうのは避けられないので、生きている間に精一杯可愛がってあげたいと思いました。
居候猫から飼い猫へ、楽しかった日々と別れ
