私は地方のとある田舎で、両親と祖父母と一緒に暮らしている36才の女性です。我が家では青色のセキセイインコを飼っていました。そのインコは人懐こいことと、外に出たがることがあり、締め切った部屋の中で時折カゴから出して、室内で遊ばせていました。カゴから出ると、手に乗って遊んでくれたり、撫でさせてくれたり、ティッシュをちぎって遊んだりと、仕草のすべてが可愛らしくて面白いものでした。しかし、別れは突然訪れます。ある日、酒に酔った父が、玄関のドアを閉めないまま、カゴからインコを出して遊び始めたのです。インコはそのままドアから外に飛び出して、出ていってしまいました。1ヶ月ほど待ち続けましたが、インコは戻ってきませんでした。家族みんなで父を責めました。でも自分の過失で逃してしまった父の方が、精神的に参っていることは目に見えてわかっていたので、責めることもだんだんできなくなりました。家庭で飼われていたインコが野生で暮らすことは難しいはずなので、1ヶ月待っても戻らないことがわかった時は、もう生きていないだろうと理解しました。インコがいなくなってから、我が家は暗くなってしまいました。自宅には他にも犬やうさぎがいたのですが、かけがえのない1羽がいなくなることはそれほど寂しくて辛いことなのだと痛感しました。インコがいなくて後悔したのは、思い出をほとんど残していなかったことです。残ったのは鳥かごと数枚の写真だけでした。写真にはインコの姿かたちが映っているので悪くはないのですが、できれば動画として残しておきたかったです。我が家のインコは話しかけると、挨拶するようにさえずりをしたり、首をかしげる仕草をしていたのですが、それは写真からではわかりえません。ただ、実物のインコはもういないのに、思い出ばかりにふけるのは虚しいものがあったりもしました。結局ペットロスを少しでもなくすために、新しいインコを飼いました。新しいインコは前飼っていたものほど人懐こくはないのですが、少しでもロスから立ち直りたいです。
36才女、ペットロスは新しいペットで埋めるしかない
