中学2年生の夏でした。休日、朝起きると玄関で飼い犬のももが倒れていました。私は天国に行ってしまったと確認していないのに見た瞬間に悟りました。飼い犬のももは私が生まれる前に祖母のところで飼っていた犬から生まれた子犬でした。うちで引き取って育てていて子どものころからの友達のように又はもうひとりの親のように、ももは家族でした。庭で飼っていたので居間の窓を開けるとももが顔を出して窓のふちに私が座ると足をペロペロ舐めてきたりして、すごくかわいかったです。いつも学校から帰ってきたらももが吠えて出迎えてくれて、私だとわかるとしっぽを振って駆け寄ってきておかえりなさい。と出迎えてくれるようでした。でも、もうその夏から学校から帰ってきた私を出迎えてくれるももはいなくなりました。面影を感じながら、寂しくガランとした庭を眺めてはもものことを思い出す日々が続きました。今にも吠えて近くによってきているような感覚になります。ももの様子がおかしくなったのはその年の1月頃でした。散歩をしていると急にももの足がカクっとなり、すぐに持ち直しましたが、歩きにくそうにしていました。ちょっと躓いたのかなと思っていると少し歩くとまた、カクっとなったので不思議に思い病院に親と一緒に連れていきました。獣医さんに診てもらうとフィラリア病だと言われました。蚊やダニノミに刺された犬に血液から寄生虫が侵入する病気です。その寄生虫が心臓にたくさんまとわり付いていて、獣医からはもう死んでいてもおかしくないと言われ、ショックを受けました。それから週に1回の点滴をしながら、自宅で療養していました。次第にももは歩けなくなり、そのストレスから夜中に吠え続けることがしばしばありました。そして夏に天国へ旅立ちました。もちろん覚悟はしていましたが、家族全員悲しみにくれ、その場から動こうとはしませんでした。もう少し早く病院に連れて行ったり、予防注射をしたりしておけばよかったと後悔しております。ももにはよく頑張ったね。ありがとうと声をかけて埋葬しました。
フィラリア病に侵されていても生き続けた犬
