これは、動物が苦手だった私が人生で初めて飼った犬のお話です。家族で一軒家に引っ越した時、家の番犬として知り合いからもらってくることになりました。「今日、子犬を連れてくるね。」と母に言われ、楽しみに帰宅すると、そこには中型犬くらいの大きさの犬がいました。家に来た犬は大型犬だったのです。「大きい・・・。これで子犬・・・。」動物が苦手で、小型犬にも追いかけられるほどだった私は、どう接したらいいか分からず、戸惑いました。その子犬も3ヶ月くらいだったので、母犬が恋しくてクンクン鳴いているのを見て、お世話してあげないといけないと思いました。毎日一緒に生活していくにつれ、恐怖心もなくなり、私の一番の友達になりました。それから、人生の半分以上をともに過ごした頃「ちょっと後ろ足が上がりにくくなってきたな。年とってきたな。」と思うようにまりました。気づけば、平均寿命よりかなり長い期間たっていることに気がつきました。イボや腫瘍ができたり、ごはん食べなくなってきたり、痩せてきたりしていました。必死に食べられそうなものを探し、猫の餌などもあげてみました。犬によって好みは違うと思いますが、好きなものをあげるのは、年をとってきた犬には大切な事だと思います。食べることは生きることです。そして、そのときは突然やってきました。家族が仕事に行っている間に亡くなっていました。出かける前も朝ごはんをしっかり食べて元気にしていたのに。いつもの場所で眠るように亡くなっていました。あまりに突然の事で、かなり驚きました。人生で一番泣きました。まだまだ、一緒にいられると思っていたのに、寝たきりになっても介護するつもりだったのに。きっと、私たち家族を気遣っていたのでしょう。介護が必要になる前に旅立ってしまいました。大型犬にしては長寿の16歳でした。一番の後悔は、最期に一緒にいてあげられなかったことです。「ありがとう。」と伝えたかった。亡くなってしまったことは、簡単には受け入れられませんでしたが、すぐに火葬場や葬儀社を探さなければなりません。インターネットで調べたところ、近くの公営の火葬場は合同火葬のため、お骨は帰ってこないとのこと。やっぱり家族の一員なので、合同火葬はやめ、個別火葬をしてくれるところを探しました。翌日そこで葬儀をすることになりました。棺には、好きだったごはんやおやつ、着ていた服、折り鶴にメッセージを書いて入れました。最期のお別れをする時、葬儀社の方が、「綺麗な顔してますね。」「この子は、この家でとても幸せに暮らしていたんですね。」と言ってもらいすごく心が救われ、葬儀をしてよかったと思いました。今でもその子が近くにいると思って生活しています。ペットを飼われる方に伝えたいことは、生き物には寿命があります。生きる権利もあります。最期まで面倒をみる覚悟も必要です。そして、毎日一緒にいられることに感謝して、ペットに伝えることも大切だと思います。後悔しないためには、できることは全てしてあげることです。1日でも長くペットと幸せに暮らせることを願っています。
35歳 女性 愛犬 近くの葬儀社でお葬式をしてもらい、心が救われた
