愛猫が亡くなった。15歳だった。1年ほど前から少し呼吸が苦しそうで食事量も減っていたので何度か病院に連れていった。甲状腺の病気などを疑われ血液検査などを何度かおこなったが毎回問題はないという結果だった。その日はいつもより少し元気がないかな?くらいだったが念のためいつもの病院に連れて行った。先生に診てもらうと呼吸が荒いと言われレントゲンを撮った。結果は肺いっぱいに水が溜まっていて生きているのが不思議なくらいなほどだということだった。病院から戻ると猫は急に元気がなくなりほとんど動かなくなった。私は家で仕事をしているため、翌日は一日中猫を見ていた。妻が仕事から帰宅すると顔を起こしたが、その後すぐに動かなくなり2度ほど大きく咳き込みそのまま目を覚まさなかった。ひとしきり泣いた後、猫の葬儀場を探した。夜10時過ぎだった。猫が亡くなることを考えたくなかったため事前には一切調べていなかった。スマホで検索すると近所にペット葬儀場があったのだが翌日は休みだった。車で一時間弱のところにもう一軒あり、翌日も空いていた。夜11時まで電話予約可能と書いてあったので電話をした。幸い空いていたので直ぐに予約を入れた。アマゾンの段ボールに猫の愛用していたタオルをしいて、その中に亡き猫を入れた。体がまだ硬直していなかったのでいつもの丸まった体勢にした。その晩は猫と一緒に寝た。翌日、葬儀場に向かう途中で花を買い、途中の公園で桜の花びらを拾い、猫の入った段ボールを飾った。葬儀場につくと丁寧に出迎えられコンテナハウスのようなところに通された。そこには人間のお葬式のミニチュアのような祭壇が備え付けてあった。係りの人の説明を受けたあと、ラジカセから流れるお経の流れる中5分程度だったと思うが猫のことを思った。その後火葬を行った。この瞬間が一番悲しかった。ふさふさの毛ももう燃えてなくなってしまう。いなくなるということを一番実感した瞬間だった。30分程度控室で待っていると、骨になった猫をもって係りの人がやってきた。人間と同じように骨壺に骨を拾っていれるとのことだった。最後に骨壺を持って帰るか墓地に納めるか聞かれ、持って帰ることにした。とても丁寧な対応で、ちゃんと葬式をして良かったと思った。悲しい気持ちのままで帰りたくなかったので、帰りに桜の名所に立ち寄った。骨壺と一緒に2時間ほど歩いた。心が晴れた気がした。持ち帰った骨壺は手作りの張り子の猫の中に納めてある。お守りを作り骨と毛をすこし入れた。心の支えだ。亡くなって一年が経った今でも家の至るところから猫の毛がでてきて嬉しい気持ちになる。
15歳の雌の愛猫が亡くなりペット霊園で葬儀をした 心が晴れた
