私は60代半ばの女性です。我が家の愛犬:チロ(男の子)を亡くして、かれこれ今年で10年の月日が過ぎました。 チロとの出会いは某ペットショップ。両親と私の三人家族の中に、チロが加わったのは平成4年の春。その当時、試練とも言えるいろんな出来事が我が家で起こり、その苦難を何とか癒したいとの思いで、ペットショップにワンちゃんを求めて母と出向いたのです。当初は、スピッツを、と考えていたのですが、なんとそのスピッツの隣のケージで小刻みに震えていたのが、生後半年のマルチーズ(後のチロ)でした。その姿に母と私は迷わず買い求め、父の待つ我が家へと一目散。父に報告したかったことがあったのです。それは、なんと、その子と父の誕生日が一緒だったこと!! なんと不思議な巡り合わせだったことか!我が家に来るべくして《この子》は来たのです。 《チロ》と名付けたこの子は、それ以来、我が家のアイドルであり、 長男的存在でした。ペットショップで母が最初に抱き上げた事もあってか、誰よりも母に懐いていました。ワンちゃんは順位をつけるとよく言われますが、まさに我がチロも例に漏れず・・・ 母が外出から帰って来る気配を感じると、すかさず玄関までお迎えに。私が帰宅するとドアの向こうから走ってくる足音が途中で止まり・・(≫≪)『Oh my チロ!』と何度思ったことか・・(トホホホホ・・(≫≪) お散歩は専ら母の日課に。『チロ、ドライブ!』というと、喜び遺産でグルグル走り回っていたチロ。ドライブの際は、窓から半身を乗り出して風邪を体一杯に浴びていたチロ。時には左折するタイミングで勢い余って道路に落ちてしまったことも・・? 後続車が無かったことでまさに九死に一生を得! ある時は誤って川に転落し、運よく近くにいた青年に助けられたことも・・? チロとの思い出は尽きません。そんなチロが10年前に心臓発作を起こし・・。必死で母と心臓組成マッサージを施して、一旦は事なきを得たのですが、相次いでその大事な母が今度は急に血圧が上がり、倒れ、救急病院へ・・。検査の結果、心臓バイパス手術を緊急で行うことになったその時、本当に時を同じくしてチロの様態が悪化し、行きつけの動物病院へ・・? 母も手術前だという中での出来事に私はパニックになってしまいました・・。しかし、必死の介護も虚しくチロは動物病院で、治療を受けながら私の腕の中で息を引き取りました・・。その直前、私に振り向いたチロの瞳は何か言いたそうにジッと見つめて・・。『チロ!』!! そしてチロは逝ってしまったのです。17歳8ケ月の日々でした。主治医は『ここまで長生き出来たのは、本当にご家族が可愛がっていた証拠ですね。大往生ですよ。』と声をかけて下さいました。 その後、母の心臓バイパス手術も大成功に終わり・・。でも、チロがいない・・。もしかしたら、チロは母の代わりに逝ってしまったのかも知れないと・・。そう思っても、どれほど涙を流したことか!! ペットのメモリアルホールの方に泣きながら電話をかけ、チロを迎えに来てもらい、葬儀を行って頂きました。退院後、母とともに祥月命日の日には、チロの大好物の食べ物を持って会いに行きました。何度も何度も・・。 今もチロの可愛い写真を日当たりのよい窓辺に飾っています。チロ! 大好きなチロ! 今でも、これからも、ずっと一緒だよ! キミの大好きなお母さんもキミのお陰で長生きしているよ! もうすぐ90歳を迎える母と共に、チロとの日々を思い出しながら、あの懐かしい散歩道を今日も歩いてきました。
66歳;女 愛犬チロを亡くし葬儀を済ませた今も会いたい気持ちが募る
