私は小さい頃から猫が大好きで、幼少期のクリスマスにはサンタさんに毎年「猫が欲しい」とお願いしていた。
伯母の友人が真っ白の猫を飼っていた為、白い猫に憧れていた。
サンタさんからの手紙には「猫は連れてくる途中で逃げてしまった」といったような事が書いていて、なかなか願いは叶わなかった。
しかしサンタの存在を信じなくなってきた小学1年生の秋頃、我が家に1匹の猫がやってきた。
毛色は白と黒が混ざっていて、お腹が白、背中からしっぽまでが黒、しっぽの先が白で顔は真ん中分けの髪型のような模様をしていた。
真っ白の猫に憧れていた私は、母に「白じゃない」と文句を言ったが、母は一言「この猫が一番白の面積があったの」
まだ子猫で「ぴーぴー」鳴いていたので、名前をぴーちゃんと名付けた。
とても可愛くて毎日触ったり、構ったりしていたが、子供のスキンシップがぴーちゃんにとっては迷惑だったようですっかり嫌われてしまった。
あまり猫が好きではなく、自ら触ろうとしない母にべったり懐き、どこに行くにも母の後ろをついてまわるような猫だった。
高校を卒業して2年目の春ごろ、13歳になったぴーちゃんの様子がおかしくなった。
毛並みがしわしわになって心なしか元気がない。
肌も黄色く感じたので、母に動物病院に連れて行ってもらった。
肝臓が悪くなっているらしく、また痴呆も始まっているとのことでトイレの場所も忘れてしまった。
自分の妹のような存在に思っていたのでとてもショックだった。
病院で注射の道具をもらい、家で毎日注射をした。
ゲージの中に布団を置いたが嫌がり、いつも母と寝ている布団で寝たがった。
日に日に弱っていくぴーちゃんを見て、もう長くないんだな…と悟った。
そして2011年6月13日、仕事のお昼休みに自宅に戻ると、静かに息を引き取ったぴーちゃんがいた。
それから隣町のペット霊園に電話し、お葬式をした。
個人のお墓も作れるようだったが、一匹で寂しくないようにと沢山の仲間と一緒のお墓を選び埋葬した。
しばらくはショックで仕事が手につかなかった。
ついつい欲しがる度に人間のおかしを与えてしまったことを後悔した。
肝臓が悪くならず、もう少し長生きしたかもしれない。
ペットはどうしても人間より先に亡くなってしまう。
限られた時間の中、精一杯愛情を注いであげて、ペットにとって幸せだったと思える生涯を送らせてあげなければならない。