かれこれ20年前、アルバイトから帰ってくるとペペ(ヨーロピアンビーグル)がいた。母がペットショップでひとめぼれして衝動買いしたらしい。片手で十分持ち上げられるほどの大きさで異常に可愛いとしか言えなかった。このことは毎月シャンプーをお願いしていたペットショップの店員さんも同意見で、「稀に見るイケビーグル」とおっしゃっていた。それからペペは14年も生きてくれたが死ぬときの体重は20㎏だった。吠えてねだるともらえないので黙ってこちらを見る戦法に勝てる家族はいなかったのでペペはいつも食べすぎだったと思う。死因は急いで食べたときにのどを詰まらせ、そのときのショックで起きた心臓発作だ。今では「食いしん坊のペペらしい死に方だ」と笑って言うこともできるものの、死んでから4か月くらいは、食欲がなく、これまで楽しかったことなにやってもつまらなく、あぁ、これがペットロスなんだなぁ、としみじみ感たものだ。死んでひと月くらいは暇ができると動画を見て涙していた。喫茶店でそれをやった時も涙が止まらなくなりとても恥ずかしかった。もし私が外でそういう人を見かけたら「ペットロスかな?」と思ってしまうかもしれない。親が死んでもそこまで泣けない気もする自分の気持ちから照らして、外で泣き暮れる人はやはり私にはペットロスの人に見えるだろう。しかしながら時の力というのは偉大でどんな哀しみも癒してしまうようであり、死んでから5年ほど経つ現在、ペットロスの気持ちを再現してみようとしても難しい。もし自分がペットロスの人に何か言ってあげるとしたら時で哀しみが癒えた自分の経験を話すことくらいだ。あと、元気な時は実物と遊べればいいや、と、動画や音声(特に!)を積極的に残さなかったのを後悔していますいる。幸い、長めの動画が1つだけ撮ってあったのだが、その中では一回だけ鼻をスンと鳴らしてくれるだけだった。なので今はあの鳴き声(散歩連れてけ!)と騒ぐ声ががまた聞きたくて仕方ない。ワンちゃんは元気な時の姿や声の記録をたくさん残しておくべきですね!
愛犬を失った悲しみでペットロスに5年たった今は回復 時が解決してくれる 動画や写真はとっておくべきだと
