もともと、家には1匹2歳のミニチュアシュナウザーのももちゃんがいました。その子はとてもおてんばで可愛かったのですが、お友達が欲しいのかなと思い、たまたま父の会社で同じ犬種を飼っている方に子犬が産まれるということでメスの子を譲っていただきました。名前はまつ毛が長くぱっちりとした目がお花のようだったので「ハナ」と名付けました。初めて我が家に来た時から、ももちゃんとすぐに仲良くなり遊ぶ時も寝るときも歩きだすタイミングも全て一緒なくらい仲良しで我が家は一層明るくなりました。モモが12歳、ハナが10歳の時です。ハナは前日、いつものように父のベットで寝ていました。朝になっていつも軽快にベットから飛び降りるハナがヘェヘェと舌を出して震えていました。ハナを抱きかかえると触れないぐらい体温が熱く目はうつろでした。田舎に暮らしているため休日に動物病院はあいてるわけもなく、とりあえず熱さましのまくらの上にのせなで続けました。隣町の病院で応急処置をしてもらい、次の日いつもの病院へ。レントゲンをとってもらうと「肺がん」もういつもの動物病院では見れないとのことで大学病院で入院することになりました。私たちは普段ハナが寝ているときのイビキに癒されていたのですがこのイビキは病気の合図だったそうで全く考えもしませんでした。いつも元気に走り回っていたので「ぐっすりねている」そう思っていたのです。大学病院では「うちに来たら安心、手術をすれば1か月の命を1年に延ばします」そう言われました。1年でも一緒にいれたらそれまでに心の整理をつけて見送ってあげようと思いました。しかし、手術後1か月もしないうちにハナはガンが転移し天国へ旅立ちました。私は仕事を終え、玄関で家族の泣き声が聞こえました。恐る恐る家に入ると生暖かいハナが横たわっていました。私が仕事に出てる間に、ハナは息ができなくなり急いで病院に連れていくと「このまま生かしておくのはハナちゃんは辛いはず。楽にしてあげるほうがこの子の為です」ハナは母と病院へ行ったときいつもの治療だと思い、診察台で母をじっと見つめていたそうです。ですが先生が打った注射は安楽死用の注射。ハナは診察台で横たわりました。私はその最期に立ち会うことができず家で号泣しました。次の日午前のみの仕事で午後はハナのお葬式でした。午前の仕事は全く身に入らず涙で全く仕事が手につかなかったことを覚えています。あの時、ハナに痛い思いをさせてまで手術を受けさせたことは最善だったのか、3年経った今でも悩んでいます。そしてハナが死んで、ももちゃんは一気に老けました。グレーだった毛色は一気に白くなり寝てばっかりの生活になりました。ときどき寝ているのにワンワンと寝言で吠えているのです。それを見てももちゃんへの心のケアも必要、私たちの寂しさも残ったまま。気づいたらペットショップへ行き、ハナに似た同じ犬種の子を探していました。そして我が家に新しい子犬が来ました。ももちゃんは驚くほど元気になり、私たちも毎日ハナの話題はしつつも新しい子犬ナビちゃんに癒されています。ナビという名前。私たち家族は花火をみるのが大好きです。ハナから名前をもらいナビに。そしてナビという名前にはもう一つ由来がナビ=道しるべ私たち家族、そしてももちゃん家族全員の道しるべになってね。そんな意味を込めてナビという名前を付けました。ハナが死んでから一度もハナを忘れたことはありません。毎日ハナの話をします。いつまでも姿は見えないけどももちゃんとナビと家で走り回っている。そんな感じをしながら家族に笑顔が戻りました。
1年命が延びるはずが、1ヵ月で天国へいった愛犬 痛い手術は必要だったのか?
