私は44歳の女性で在宅の仕事をしています。私はかつてミドリガメを飼っていました。祖母に飼ってもらい、小さな水槽に入れて眺めているのがとても幸せでした。周囲からは勘違いではないかと言われるのですが、名前を呼べば小さな顔を水面から出してくれて、まるで自分の名前が分かっているかのようでした。大切に、大切に飼っていましたが、ある日。水槽の中で動かなくなっていました。名前を読んでも、もう顔を見せてくれる事がなく、触っても何の反応も示してはくれませんでした。哀しくて、哀しくて毎日泣き続けました。友人達は励ましてくれるのですが、なかなか立ち直る事は出来ませんでした。中には、そこまで落ち込むのはおかしいという人もいましたが、私にとっては大切な家族なのです。空っぽの水槽を見る事が辛くて、早くに捨ててしまいました。水槽があったスペースを見ては涙が溢れるという日々を繰り返していました。ですが、いつまでも泣いている事を亡くなったペットが見ていたらどう思うのだろうと思いました。ペットを亡くすという事は、出会った時から決まっていたのです。私は何とか立ち直ろうと、あえて明るく振る舞いました。ミドリガメの事は思い出さないようにしました。でも、思い出さないようにすればするほど、いろんな事を思い出してしまうのです。かえって心が辛くなるだけでした。そこで、私は忘れる事はやめて、家族と一緒にミドリガメの思い出を話す事にしました。そこには、楽しかった思い出や、困った思い出などがあり、終始笑顔で話す事が出来ました。涙もこぼれましたが、それでも心がとても軽くなったんです。確かにペットが亡くなり、そのショックは大きいのですが、存在までが消えた訳ではないのです。なので、私は楽しかった思い出をいつも思い出すようにしています。その後も様々なペットを飼いましたが、心の中からミドリガメがいなくなる事はありません。いつも心の中にいるのだと思う事で、亡くした哀しみを乗り越える事が出来ました。
44歳女楽しかった思い出話しでペットロスを克服
