これは今から20年以上前、私が小学生の時に飼ったハムスターの話です。当時はハムスターがとても流行っていて、クラスにも必ず数人はハムスターを飼っている子がいました。動物が大好きだけれども、動物アレルギーだった私は本当にうらやましく思っていました。そのうち、「ハムスターなら小さいからアレルギーも出ないはず!お願い!」と親に懇願して、絶対に自分が世話をするからと約束して、なんとか許可がおりました。ペットショップで、ひときわ色白で、目のパッチリした「彼」と出会いました。悲しいことに、彼は生涯私になつくことはありませんでした。素手で触ると噛みついてくるのです。それでも彼はとびきり愛らしく、気高く、かけがえのない存在でした。美味しいものを食べたときの「おいしい~」と目が細くなってニコニコとしている無邪気な姿が忘れません。彼は平均寿命よりも長く生きて、眠るように亡くなりました。老衰です。けれども後悔がつきず、あの時もっとお掃除をしていたら。もっと栄養のある食事をあげていたら・・・色々な思いがかけめぐります。私がいけなかったんだ、と自分を責めました。その夜から、彼のことを思い出しては、涙が出るようになりました。会いたくても、もう会えない。ごめんね、と謝りたくても、もういない。たかがハムスターで・・・と笑う人もいるかもしれませんが、本当に大切な存在でした。定期的にハムスターの夢を見るようになりました。なんと、20年たった今でも定期的に見ます。内容はいつも同じもので、決まってハムスターの世話を忘れている夢です。「いけない!ハムスターを飼っていたんだ!掃除と餌やりをしなきゃ」そう言って焦っている夢です。夢から覚めて、もうとうの昔に彼はいなくなったんだ、そう気づくとまた涙があふれます。でもこの夢を何度も見るうちに、彼が「ありがとう」と言っている気がして、少しずつ浄化されていくような感覚がありました。今はこの経験を活かし、動物の命の大切さを伝えていこうと思えるようになりました。今も辛い思いはありますが、そういった気づきを与えてくれた彼に感謝をしています。
30歳女 夢の中に現れたペットから感謝のイメージを受けて前に進んだ
