その子は私が人生で初めて飼った自分のペットでした。ゴールデンハムスターの男の子で名前を「ハム太」と言いました。毎日、お部屋を掃除する事。お世話を最後までする事を両親と約束して飼ってもらったのは、小学生の頃でした。私は、毎日学校から走って帰るようになりました。早くハム太に会いたかったからです。毎日、お部屋をお散歩させました。毎日、小屋を綺麗に掃除しました。毎日、ハム太に声をかけました。小さな小さなハム太の温かさを今でも覚えています。そんな時、ピアノの発表会がありました。私は最初は出ない事に決めていましたが、直前で参加する事にしました。でも、何故か胸がモヤモヤしていました。当日、とても行きたくない気持ちになりました。ピアノは好きだったのに自分でも不思議でした。発表会を終え、家に帰ってきて言葉を失いました。ハム太が小屋と金網の間に頭が挟まり冷たくなっていたのです。私は、その時の記憶を無くしてしまいました。あまりにショックだったのです。ピアノの発表会で家に誰もいなくなり、ハム太は脱走しようとしたのでしょう。隙間に挟まり、窒息してしまったのです。私はそれから何度も何度も、発表会に行った事を悔いました。もし、家にいたらハム太が例え挟まってもきっと鳴いて私に助けを求めたはずなのです。そして、死なずに済んだのです。ハム太は桜の木の下に埋葬しました。25年経った今でも、春になると私はハム太に会いに行っています。また君に触れたいよ。
あの時行かなければ~ハムスターの事故~
