一人暮らしで忙しくしている私は、ペットなど飼う余裕はありませんでした。実家では幼いころから犬を飼っていたため、自身では飼わなくても・・という気持ちもあったと思います。そんな時、職場の上司から「オスメスだと思ってないで飼ってたハムスターが実はオスメスで、気が付いた時には子供がたくさん生まれてた!」と、なんとも興味深い話を聞き、「誰かよかったら子供をもらってくれないか?」とのことだったのです。私は一瞬迷ったものの、「ほしいです!ぜひ、育てたいです」と声をかけました。それからその子が家にくるのはあっという間でした。上司がすぐに虫かごに入れて職場まで大事に運んできてくれ、私の方もゲージや部屋に入れる木くずやご飯(ひまわりの種)などはネットですぐ手に入りましたし、準備万端で迎えたのです。連れて帰ったその日はハムちゃんも疲れてたのか、ぐっすり眠っていました。その時の寝顔は今でも忘れられません。それから早くも二年ぐらいたったある日、真冬でその日もとても寒い日でした。いつも通り仕事を終え帰り着き、ハムちゃんに「ただいま」と声を掛けると、いつもならゲージを噛んだり、寝てても眩しそうに目を開けたり・・何かしら「おかえり」のアクションを起こしてくれるのに、何もないのです。横になってビクともしないのです。それどころか、寝ているときにわずかに動くはずの体が全く動いていない。うそだ!そう思い急いでゲージから出しました。体が硬いし冷たい・・でも生きてた!聞こえるのかどうかもわからないハムちゃんに必死に声をかけました。寒くないようにバスタオルに包みました。とても苦しそうに息をしています。亡くなってはいなかった、でもどうしたらいいかわからない。すぐに携帯でハムスターも診てくれそうな救急の動物病院に電話をかけたら診てくれるとのこと、出る準備をしていましたが、タオルに包まれてるハムちゃんに声をかけ出ようとしたとき、今まで聞いたことのない長い鳴き声を最後に亡くなってしまいました。本当に悲しかったです。二年という短い命、また私たちの毎日でしたがずっと忘れることはないし、「ハムスターの寿命は短いからね」という周囲の言葉が当時は辛かったです。自分がもっとこうしてたら、ああしていたらもう少し長く生きられたかもしれない・・や、一人暮らしで忙しくして家に少ししかいなくてかわいそうだったとか。色々考えました。でも一つ、死に目に立ちあえたことは「待っててくれた」と思いました。ちゃんとわかってくれていた。どんなに小さくても、寿命が短くても、私のこともちゃんと見てくれていたと。皆さんそうだと思いますが、愛するペットと過ごす日々は寿命なんか関係なくかけがえのない日々です。私はこの子の命を経て、命に重さはないと考えています。どんな寿命でも、どんな体の大きさでも命と過ごした時間は尊いです。
「ハムスターの寿命は短いからね」という周囲の言葉が辛かった
