ピーちゃんがいなくなったあの冬。インコのピーちゃんは初めて我が家にきたペットでした。アパート住まいだったため、犬や猫は飼えず、ずっとペットが欲しいと願っていました。その願いが届いたのか従妹が飼っていたインコを譲り受けることになりました。我が家はひとたびにぎやかになりました。何年も大切に育てていた時、遠くにいる祖父母の家に遊びに行くことになり、ピーちゃんも一緒に連れていくことになりました。祖父母の家はとても広かったので外の庭に鳥かごを出してあげたりお世話をしていました。我が家は狭かったのでピーちゃんも外の世界でのびのび過ごしているようでたくさん鳴いていました。何日か過ごしたある日、縁側で座ってピーちゃんを眺め、少しそばを離れたときです。ガチャガチャガターンとものすごい大きな音がなりました。何事かと表に出ると、野良猫がピーちゃんのかごを襲っていたのです。かごは地面に落ちてしまい、扉は開き・・。あの元気なピーちゃんの姿は見る影もありませんでした。野良猫を探そうと走っておいかけましたが追いつけず、ピーちゃんが食べられてしまったのかもしれない、痛い思いをしているかもしれない、いや、もしかしたらどこか近くの木に逃げたのかもしれないと様々な思いがあふれ出ながらあちこち走り回りました。ピーちゃんは見つからずに鳥かごだけがもぬけの殻となっているのをみるといたたまれない思いになりました。あんな小さなからだで、猫に襲われてしまっては怖くて怖くてたまらなかったはずです。痛かったかもしれない。私が縁側から離れなければ、猫を追い払ってやれたかもしれない、自分の責任だと胸のうちがざわざわするのがわかりました。怖い思いさせてしまってごめんね、守ってあげたかった。
すこしそばを離れた瞬間、野良猫に襲われ姿を消したインコ 自分のせいだと激しく後悔
