母のペットロスを解決してくれた?我が家を救う不思議な猫リレー
にゃ助は我が家にやってきた6代目の猫でした。
気性は穏やかで可愛い茶トラ猫。
産まれて間もなく野良の母猫とはぐれ、近所のお墓で助けを求めてミャーミャーと大きな声で鳴いてたのが出会いでした。
声を聞いた母猫が迎えに来るかもしれないから見守ろうと決めましたが、どうしても心配で何度も夜中に家族で様子を見に行った事を覚えています。
朝方になり声を聞いたカラスが集まってきたので、もう放ってはおけないと父が抱いて家まで連れてきました。
我が家はその半年前に飼っていた愛猫を亡くしたばかりでした。
その猫も同じく茶トラ猫でとても身体の大きい優しい猫でした。
1ヶ月程病み家族で看取りました。
母は亡くしてからしばらくしてから眩暈を訴えるようになり、どうやら世にいうペットレス症候群のようでした。
まさかとは思いながらも振り返れば当時私たち姉妹は高校生や社会人で外の世界へ出っぱなし。
専業主婦の母が昼間ずっと一緒に過ごしていたのが愛猫だったのです。
その存在がなくなった喪失感をいちばん感じるのは母であったのだと思います。
にゃ助はそんな家族、母の前に現れた救世主でした。
母は眩暈なんてどこへやら、にゃ助のお世話でまた日常を取り戻しました。
それから16年です。
家族に寄り添いにゃ助は我が家で暮らしてきた猫達の中でいちばんのご長寿長猫になりました。
家の建て替え、私の結婚、同居、出産。
家に赤ちゃんの居る生活。
様々な我が家の門出や変化を一緒に生き、いつも寄り添ってくれていました。
そんなにゃ助が去年亡くなりました。
16歳の大往生。
家族みんなで看取りました。
母はにゃ助を懐かしむことはあってももう悲しんだり眩暈を起こすことはありません。
今は家族と孫3人に囲まれて目まぐるしくも穏やかな毎日です。
我が家の歴代猫は全て野良猫か捨て猫です。
自ら家に迷い込んできたリ、近所で捨てられていて困っていたり、猫の方からやってくるのです。
私はそれを我が家の猫リレーと呼んでいます。
今は珍しく我が家には猫はいません。
穏やかに暮らす母を見ていると、もしかしたら猫が助けを求めて家に来るのではなく、我が家が助けて欲しい時に猫が来てくれるのかもしれません。
今度現れる猫はもしかしたら私にとっても救世主になるのかもしれません。
会える日を待っています。