動物病院の先生が太鼓判を押した元気な愛猫の旅立ち 眠るような最後だった
今年の5月、猫のマルが天国に旅立ちました。
21歳と3か月でした。
マルは、私が実家に戻った時に飼い始めた猫です。
初めてマルに会ったのはマルがまだ2か月の時。
私以外の家族はどちらかというと犬派だったのですが、マルと一緒に暮らしていくうちに、みんな猫が大好きになりました。
マルは、CMに出てくる猫のような愛嬌もなく、私の姿を見ては走って逃げていくような猫でしたが、仕事で失敗したり、恋愛がうまくいかなくて悲しんでいるときだけは、なぜか近くに来てずっと寄り添ってくれたり、人の気持ちが分かっているようなところがありました。
マルはずっと病気もせずに元気でよく食べる猫でした。
動物病院の先生からも、25歳ぐらいまでは大丈夫そうだね、と太鼓判を押してもらっていましたが、1年前、最もマルを可愛がっていた父が急死したころから、だんだん元気がなくなって痩せてきました。
それでも、焼き魚や鶏肉といった、マルの好物をたくさん食べさせて、しばらくは元気にしていたのですが、今年の2月、マルの21歳の誕生日を過ぎたころからめっきりご飯を食べられなくなってきました。
一日おきに動物病院に通い、点滴をしてもらう日々。
先が見えなくて、何よりもどんどん痩せていく姿を見るともうすぐ命の火が消えてしまうんだなと辛くなっていました。
マルの最期は、まさに眠るように、気づいたら冷たくなっていました。
火葬の帰りに動物病院に電話し、マルのことを報告しました。
先生が「最後は家族のみんなも病院に通ってくれて大変だったよね、だけど、マルちゃんもそのことをうれしく思って、少しでも生きなきゃってがんばってくれたんだと思うよ」と、声をかけてくれました。
先生も少し涙ぐんでいるようでした。
マルが眠るように、まったく苦しんだ様子もなく旅立っていったのは、確かに先生の言うように、私たちを悲しませないよう、マルががんばってくれたのかなと今は思っています。