犬がなくなってペットロスになった体験談

愛犬を失った小学生の私に「あなたと一緒にすごせてしあわせだったよ」といってあげたい

待望の仔犬の誕生でした。

真っ黒で太い脚、垂れた耳、フサフサとした尻尾。

コロコロと走り転げる仔犬は、小学4年生の私にはまさに宝物でした。

真っ黒でがっしりしたこの仔犬に、見た目のままにつけた名前は「くまごろう」でした。

思い返してみると、知り合いから譲り受けたこのくまごろう。

雑種でしたが、体格がよく足も速く、なかなかお利口で何より私になついてくれました。

つやつやした黒くて長い毛並みはとても美しく、何度も何度もかわいい背中やおなかを撫でてやりました。

くまごろうがきてからの私は、学校が終わると一直線に帰宅し、くまごろうと散歩へ。

散歩というより一番の仲良しと遊びに行くような、ウキウキした気持ちでした。

ただ一緒にいて、草をかんだり自分の尻尾を追いかけるくまごろうを見ているだけで幸せでした。

そんなある日。

学校から帰るとくまごろうがいません。

ぶかぶかだった首輪が落ちています。

「どこかに行っちゃってるな。

でもすぐ帰ってくるよね」
そう信じて、家の近所を探し始めましたが見つかりません。

不安に思い始めたころ、妹がむこうから駆けてきました。

「おねえちゃん、くまごろうが道路でしんどる!」

頭が真っ白になりました。

そのあと、ひかれたくまごろうを一輪車に乗せて、裏山に葬りました。

抱きかかえたときに、くまごろうの血が道路にながれました。

ショックでした。

こんなひどいことになってしまって。

痛かったんだろうなって、ごめんねごめんね、なんで、なんで、と泣きました。

首輪が緩いのは、わかっていたのに。

まだくまごろうは小さくて、自動車があぶないってよくわかってなかったのに。

かわいかったのに、かわいかったのに。

私は自分を責めて、父や母にもうまく伝えられませんでした。

妹はまだ小さかったのか、わりとあっけらかんとしていたようでした。

今もこれを書きながら涙があふれて止まりません。

小学生高学年でも、うまく気持ちを表現できなかったのだなと今わかります。

この悲しみを誰かにわかってもらっていたら、と思います。

小学生の私にやれることはすべてやった。

不運ではあるけれど、決して自分を責めつづけることではありません。

小学生の私に言ってあげたい。

「くまごろうもきっと、あなたと一緒にすごせてしあわせだったよ」って。

同じ悲しみを持つあなたのそばに、だれかがいてくれることを願ってやみません。

 
楽しい時間をくれた、くまごろうへの感謝をこめて。