25歳女、愛犬の死をどう捉えるかによって道は拓ける
初めまして!20代の会社員、女性です。
今は一人暮らしをしています。
私のペットロス体験が誰かの手助けになればと思い今回記事を書かせて頂きました。
その犬は私が物心付いて間も無く我が家にやってきた、メスのゴールデンレトリバーでした。
名前はアリスと言います。
若干4、5歳だった私が両親の友人の家で産まれたアリスを見て欲しいと懇願し、それから10年間生活を共にしました。
当時の日本は今のように室内で犬を飼う事があまりなかった為、アリスも大きくなってからは外の小屋で飼うようになりました。
外飼いになったのが原因なのか、飼い主である、私や家族に対しては忠誠心が強く従順でしたが、他人に対しては常に牙を剥くような犬でした(笑)きっと、家を守らなくてはいけないという正義感がアリスにはあったんだと思います。
そんなアリスとの思い出は数多くあります。
小学生の頃、同級生の男子に馬鹿にされ、アリスを見せつけてやろうとやっとの思いで公園に連れて行き、ですが連れて行ったは良いものの、同級生の野球ボールにアリスが反応して駆け出してしまい、私もリードを離すわけにもいかなく、そのままぶっ飛び、芝生に突っ込み顔面から引きずられたり(笑)そして数ヶ月に一回ぐらいのペースで夜中脱走してみたり、私が中学生になり体型を意識し始めてランニングに勤しんでいる時に気がつくと後ろにいて一緒にランニングしていたり(笑)私の幼少期からアリスは常に私の側にいてかけがえのない存在でした。
ですが必ず、人間より先に犬は死んでしまいます。
アリスにもその時がやって来ました。
私が中学2年生になった頃でした。
アリスは散歩に行くのもままならないような感じで常にフラフラと体調が悪そうなのです。
両親や祖父母は暑いせいでちょっと夏バテでも起こしているんだろと言い病院へは連れて行きませんでした。
そんな日から一週間ほど経った頃、私の親は飲食店を営んでいていつも帰宅する時間が23時ごろと遅かったのですが、その帰宅する時間が遅く、実家も田舎にあった為、私の両親は帰宅するといつもアリスをノーリードで自由に家の周りを走らせて散歩していました。
私もよく両親が帰って来たと分かると外に出て一緒にアリスと戯れて、散歩をしていました。
その日もそうでした。
外へ出ると、ここ一週間、具合の悪そうだったアリスが元気に駆け回っていたんです。
私はやっぱり夏バテだったんだと安心して駆け回っていたアリスの名前を呼びました。
アリスは私に気がつくと一目散に駆けよって来ました。
私はアリスを抱き締めながら昔はもっと大きく感じていたはずの体を撫でて、夏の電柱のライトに群がっている蛾をみて、アリス~見て~気持ち悪いね~と笑いながら話しかけました。
そんな夜を過ごした次の日は早朝から雷が轟き、雨がひっきりなしに降り続け、天気がとても悪かったのです。
祖母はアリスが雷を苦手なことを知っていたので、安全な地下室にアリスを入れてあげました。
そして朝ご飯の時間になり地下室にアリスのご飯を持って行くと、アリスはもう冷たくなっていました。
昨日の元気な姿はアリスが最後の力を振り絞って、私達に心配を掛けないようにとしていたんだと考えると涙が止まりませんでした。
なぜ気が付く事が出来なかったのか、もっと出来ることは沢山あったんじゃないか後悔してもしきれませんでした。
私のこの心の痛みは一生消えないと・・それなのに、数週間後に母親が犬の里親サイトで犬を保護しようと思うと言ってきたのです。
私の心はズタボロです。
新しい犬なんて要らない!!ですが私の意見など通るはずもなく・・成犬になってから飼い主に捨てられたという、メスの秋田犬が我が家にやってきました。
保護犬と秋田犬という和犬のクールさも兼ね備えていた犬だったので、もちろんすぐには懐きません。
可愛くない!!やっぱり、アリスの代わりになんかなれないんだ!!受け入れる事は容易ではありませんでした。
ですが次第に接して行くうちにこの犬の生い立ちなどを考えるとそうやすやすと嫌いにはなれなかったのです。
昔は雨が降ろうが、雪が降ろうが、犬は外!そのせいで些細な変化に気がつけづにいた事も事実です。
アリスに対してしてあげられなかった事をこの犬にしてあげよう、それがアリスに対する多少の報いになるのではないだろうか?その保護犬はアリスとは違い室内で飼うことになりました。
初めは愛想も何もない犬でしたが次第に心を開いて行き、私も気がつくとアリスに対するペットロスが無くなってきていました。
可愛がれば可愛がっただけ、大きなペットロスが生れる事は当然です。
ですが、その愛犬の死をこれから先どう捉えるかによって自然とペットロスは無くなっていくのだと思います。