27歳女性、撮りためた写真と動画が前向きな気持ちに導いてくれた話
私が小学校1年生になった年に、家に新しい家族がやってきました。
ミニチュアダックスフンドの男の子です。
物心ついた時から、ずっと犬が好きで「いつか犬を飼いたい」と、うるさいくらいに両親に何度も何度もお願いをしていました。
また、出かけた先でペットショップがあると、必ずショーケースの前まで足を運び、飼う予定が決まっている訳でもないのにただ眺めるといった、少々店員さん泣かせ?な行動もしてきました。
そのような中で、「犬を飼う」という夢がやっと叶ったので、とにかく嬉しかったです。
学校から帰ったら、ケージが置いてあり、眠っている犬を見つけた時は、漫画のように「これって夢なのかな」と、現実に起きていることとは思えないくらい衝撃を受けました。
家に来た時は、まだ子犬だったので本当に小さく、そして寝ている時間が多かったです。
可愛くて仕方がない私は、犬の体を「ツンツン」と優しくつついてみたりと、家にいる間はほとんどそばを離れませんでした。
見かねた母に諭されてからは、ちょっかいを出したい気持ちを抑えながら、とにかく犬を眺めていました。
学校から帰ると、いつも尻尾を振って迎えにきてくれることがとにかく嬉しくて、いつも家に帰るのが楽しみでした。
朝や夕方の散歩は、母や姉、父が休みの時は父と行ったり、犬の散歩の時間を通して、家族でのコミュニケーションの時間も増えました。
しつけ担当は主に母や父だったのですが、とにかくやんちゃな子だったので、最初はしつけに苦労している様子でした。
スリッパをビリビリに破いたりと、いたずらっ子な一面も多々ありましたが、末っ子の私にも優しく接してくれる子でした。
私が泣いていた時は、スッとそばにやってきてぴったりと体を寄せてくれる、人の気持ちに寄り添える、心優しい子で何度も助けられました。
家に来てから10年が経つ頃、悪性のリンパ腫で亡くなりました。
ものすごく大きな喪失感を感じました。
撮りためた写真や動画を見返すことで、時間はかかりましたが、どこかで見守ってくれていると信じ、明るく前向きに生きようと思えるようになりました。