30歳女愛犬とペット葬儀専門場でお別れ、後悔は何もない
私は現在30歳のシングルマザーです。
子どもは4歳の娘が一人います。
お葬式をしたのはフレンチブルドッグの「バロン」という名前でした。
バロンは私が高校生の時、両親がフレンチブルドッグのブリーダーの所で購入し、飼い始めました。
バロンの両親はどちらも血統書付きで、ペットショップで見かけるフレンチブルドッグとは比べものにならない位、筋肉質でした。
子犬でありながら腕も足も引き締まっていて、迫力がありました。
小さい頃はやんちゃで、犬に慣れていない私は飛び付かれ、怖くて泣きそうになったこともあります。
でも、一緒に過ごす日を重ねていくうちに、バロンを家族の一員と思えるようになりました。
きっかけは私の鬱病でした。
高校に通うことが出来ず、一日中ベッドの上で寝込む私の様子を、バロンが度々みに来てくれるのです。
度々、私のベッドに潜り込み、身体をピッタリ付けて一緒に眠ることもありました。
精神的にドン底だった私はバロンに癒され、少しずつ前向きに病気と向き合えるようになりました。
そして、数年後、私は結婚。
その頃には、抗うつ剤無しでも生活が出来るくらい回復していました。
当たり前ですが、バロンはだいぶおじいちゃんに・・・。
結婚後も、たまにバロンに会いたくて実家に帰りました。
そしてバロンに元気をもらいました。
やがて、私はお腹に新しい命を授かりました。
バロンと子供を会わせることがとても待ち遠しかったです。
しかし、臨月間近になった頃、母から電話がありました。
「バロンがそろそろだから、会いに来てあげて」と。
急いで駆けつけると、バロンは痩せ細って、フラフラしていました。
もう、走り回ったり、飛びついて来たり、一緒にベッドでゴロゴロしたり出来ないんだ、と思って涙が出ました。
私は数日続けてバロンに会いに行きました。
会う度、命の火が消えようとしているのが分かって辛かったです。
そして、数日後バロンは眠るように亡くなりました。
バロンのお葬式をあげることは、家族全員一致で賛成でした。
「ペット」を超えて「大切な家族」だったからです。
バロンのお葬式は、人間のお葬式とほとんど同じ流れでした。
棺桶の中で冷たくなって眠るバロンに花を手向け、見送る時は涙が止まりませんでした。
「ありがとう」と何度言っても足りません。
バロンのお骨はお墓に納めず、今も実家に置いてあります。
お腹にいた娘は4歳になり、バロンのお骨の前に摘んだ花を飾ったり、お話したり、家族の一員だと思っているようです。
お葬式が出来たことは本当に良かったです。
ペットも家族の一員・・・もし、大切な家族の終わりの日が来たら、ぜひ、お葬式をして、たくさん「ありがとう」を伝えてあげて下さい。