留学中になくなった愛犬。同じ苦しみがわかる友人たちのお陰で癒される。

小さい頃から犬が大好きで、物心ついた時からずっと両親に犬を飼って欲しいと頼んでいました。しかし両親は、私が生まれる前に駆っていた犬の、不慮の事故での死があまりにも辛く、もう二度と犬は飼いたくないと言って、飼う事を許してくれませんでした。

しかし、私が中学二年生になった時、父の友人宅の犬が子供を産み、最後の赤ちゃんの引き取り先を探していて、父が「どうしても飼いたいなら、貰ってきてもいいが、自分でしっかり世話すると約束できるか?」と念を押され、私は「絶対にする!」と同意しました。それが、私と勇太との出会いでした。

とはいえ、当時私はテニス部で部活に忙しく、朝練と放課後、夕方から夜までは塾という生活でしたから、結局は母がメインで世話をしていましたが、私もできるだけ手伝いました。勇太は家族みんなに愛され、近所の人達・子供にも凄く可愛がられて育ちました。家族の一員でした。

それから10年後、私は3年のイギリス留学に行く事になりました。勇太は私が旅立つ朝、ワンワンと激励してくれてましたが、それが最後の別れとなりました。

あと1年で帰国・・・という時になって、電話で、勇太が亡くなった事を知りました・・・。ガンで、気がついた時には手遅れだったそうです。最後の3日間は殆ど食事もとらず、私の車の下に入ったまま出てこなくなり、そのまま亡くなったそうです。あなたが必死で頼みこんで我が家の一員になった事、分かってたのかもしれないね・・・と母が言いました。

それを聞いて、私は泣きました。胸が張り裂けそうでした。食欲も全くありませんでした。しかし、私がラッキーだったのは、間借りしていた大家さんが大の犬好きでジャーマンシェパードを飼っていたので、私の悲しい気持ちがよく分かるとなぐさめてくれた事、当時付き合っていたボーイフレンドも愛猫を亡くした経験があり、彼もペットを亡くした辛さが分かると言ってくれた事です。

彼らにとっても、犬や猫はただのペット以上の存在で、私の気持ちの共有をしてくれた事で、随分と癒されました。

それから私は結婚し、子供ができ、昔の私のように息子に「犬を飼いたい」と何度もせがまれましたが、未だ、飼っていません。別れが辛いからです。昔の両親の気持ちが分かるようになりました。その息子は今、大学生になり、自分が家庭を持ったら犬を飼いたいと言っています。

そうなったら、その時は、私にも新しい出会いが来るな・・・と思っています。息子家族の代わりに未来のワンちゃんの面倒を見る日がいつか来るかもしれません。今はその時を、楽しみにしています。

その時は天国の勇太に、報告したいと思います。